北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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クリスマス・イブの夜に…

2003-12-24

朝日岳に初雪が降った日、蓮華温泉からの帰り道

 朝日岳に初雪が降った日、蓮華温泉からの帰り道

          朝日小屋〜山頂までの道の途中で   03.9.30

 メリー・クリスマス!!
 今宵、どんな夜を過ごしていらっしゃいますか??

 まるで、見事なクリスマス・ツリーのように雪化粧したオオシラビソの樹に、寒さを忘れて見とれた「初雪」の日。
 
 クリスマス・イブ、あなたは冬の夜空に、どんな祈りを捧げ何をお願いしたのでしょう…。

クリスマスの朝日岳

2003-12-25

自宅近くから   雪煙を上げる朝日岳   03.12.25

 自宅近くから   雪煙を上げる朝日岳   03.12.25

 クリスマスの今日、富山県地方は多分年内最後かと思われる晴天に恵まれ、雪のない、チョッと淋しいクリスマスではありましたが、山々がそれはそれはきれいに見えました。
 雪で真っ白に覆われた朝日岳、雪倉岳、白馬岳。朝日岳の山頂付近からは雪煙が舞い上がっていました。

やっと、賑やかで忙しい年末に…

2003-12-28

ミヤマアズマギク   03.6.15   photo by mezawa

 ミヤマアズマギク   03.6.15   photo by mezawa

 長女、二女、三女と、家を離れてアパート暮らしをしながら学校へ通っている娘たちも、それぞれ年末になって帰省して来ました。
 今日からしばらく我が家は7人家族。年頃の女の子ばかりなので、ペチャクチャ、ワイワイガヤガヤと、それは賑やかな年末になりました。
 
 早くから始めておけばいいのに。。。といつもいつも思いつつ、今年もなかなか腰を上げられなかった年賀状も、今日になってやっとのことで仕上がりました。(やれやれ…ふうーっ…)
 
 今年も残すところ、あと3日。皆さんそれぞれの年末年始を過ごされることでしょう。私もここに来て、ようやくエンジンが回るようになって来ました。
 まだ今日は、ゆっくり日記も書いていられませんが、…元気です!!

03年、いろいろ有り難うございました!!

2003-12-31

ミヤマキンバイ   03.6.15      photo by mezawa

 ミヤマキンバイ   03.6.15 photo by mezawa

 03年も、残すところあと数時間となりました。
 大掃除やおせち料理作りもどうにか終わり、やっと新しい年を迎える準備が出来ました。
 
 朝日小屋の管理人になって、3年目が過ぎようとしています。
 
 亡き父から受け継いだ、朝日小屋の管理人。
 
 1年目と2年目は、見ること、聞くこと、すること、そして人間関係…仕事に関することの殆ど全てが初めてで、とにかく無我夢中で過ごした2年間でした。
 過去の2年間は、父が大切にしてきたものを「守り、繋いでいこう」との想いがありましたし、とにかく自分がやりたかった仕事だというコトが良く分かっていましたので、「楽しくて、面白くて」そんな気持ちで頑張れたシーズンだったと思います。
 自分自身が小さい頃から親しんできた朝日小屋で、若い頃に過ごした記憶や父のやり方を元に、どちらかと言えば「自分自身の想い」だけで何とか出来たのが1年目・2年目のシーズンだったでしょうか。

 3年目となった今シーズン、小屋開け前は、これまで以上にお客様に喜んでいただく為にどうしたら良いか、食器を陶器に買替えたり等など、楽しく準備を進めました。
 しかし一方で、周りの状況や自分の置かれている立場に対する私自身の認識に微妙な変化が現れてきたようにも思います。
 いろいろな事が少しづつ分かってきて、同時に私の中に、「勢い」や「今までの“財産”」だけでない、もっと「確かな」「理想とする」『管理人としての自分の姿』を追い求める姿勢が出てきたのも事実です。
 
 「どうすればいいのか」「どうあればいいのか」が、「こうしなければ」「こうあらねば」といった気持ちに変わり、でもそれが分からないまま、何をどうすればいいのか分からないまま、空回りした部分がずいぶんあったのではないかと思います。

 シーズンの最初からいろいろありました。
 どうしたら良いのか分からないまま、小屋は大勢のお客様をお迎えするハイシーズンに突入。
 正直言って、まさ子さんの件も、白高地沢の一件も、いろいろな意味で最後までずっと引きづったままの4ヶ月間だったかもしれません。
 
 こんな事を書いたら可笑しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、山小屋での生活は、下界とは少し異なる世界の広がりを持っているのではないか、小屋のオーナーや管理人には、他とは「違ったモノ」が要求されるようにも、時々思ったりすることがありました。
 「頑張りすぎないで」「気を楽にして」という周りの皆さんの励ましも、まだまだ3年目の未熟な私の胸にはストンと落ちないで、全部を自分ひとりで背負おうとして、「ゆかりさんの“はつらつ”とした姿が陰をひそめている。。。」と言われたこともありました。

 小屋閉めして下山してから、10月下旬、11月いっぱい忙しい日々が続きました。それはそれで、小屋の関係の仕事ばかりで充実した毎日だったのですが、12月に入ってぽっかりとヒマになった頃、そうした今シーズンの反省やら諸々抱えていた問題が一気に自分の中で噴き出してきて、本当にもうどうにもならない位、自分自身の中でもがき続けました。
 もがけばもがく程、自問自答すればする程、先が見えなくなりどうしたら良いのか分からなくなり、その終いにはただ自分自身を責めたり問い詰めたりした毎日。

 今思えば、ずい分肩に力が入りっぱなしの“この一年”でした。

 でも、いろいろと悩みや話を聞いてもらって勇気付けられたり、たくさんの皆さんに励まして頂いたり、時には本を読んだりテレビを見ていてふっと元気をもらったり…。

 いろいろありましたが、この03年は笑顔で締めくくることができそうです。
 いいえ、今まで以上に“ひと皮むけて”素晴らしい歳の瀬を迎えることができました。

 『大切なものはなに!?』…そう想い続ける自分はステキだし、これからも大事にしたい気持ちです。
 でも、もう少し「楽に」考えていければ、と思います。
 
 励まし続けてくださった皆さん、そっと見守ってくださった皆さん、そして朝日小屋を大切に思ってくださる皆さん…。
 本当に、一年間有り難うございました!!
 来年も、どうぞよろしくお願いいたします!!!

こんな悩みも…、ありました!!

2003-12-31

朝日小屋の夕食

 朝日小屋の夕食

  肉ジャガをメインに、野菜の天ぷら、豚カラ、スパゲッティ・サラダ、お漬物、オレンジなど。らっきょうも付きます。
 もちろんお米は、100%自家米の富山県産コシヒカリです。
 それから、食前酒はお好きなモノを。ワインのご注文が多いですね。
 
 
 「超・有名な、管理人のゆかりさんと…」
 「ゆかりちゃんは、有名人だから…」
 そんな何気ない言葉に、少々混乱したり戸惑ったりしたのも、今シーズンでした。

 自分では、北アルプスの北の端の、名前も余り知られていない小さな山小屋の管理人で、下界に降りれば“ただのオバサン”(それはもちろん!)だと思っているにも拘らず、何度か雑誌に載せていただいたりテレビで番組が放送された為か、あるいはホームページの影響か、私のことを「有名な」という形容詞を付けて呼んでくださる方が少し増えたのも事実です。
 街中で見知らぬ方にお会いしても「テレビで見ました。知っています!」と言われたり、山を歩いていても「朝日小屋の清水さんでしょ!?」と声を掛けられたり。
 一方で、そんな事や自分の胸の内をチラッと話せば「少し、“自意識過剰”なんじゃない!?」と言われてみたり。。。
 
 「本当の自分とは違った自分が“ひとり歩き”しているんじゃないか。。。」
 「私は“有名人”じゃないし、みんなに言ってもらうほど、そんな素晴らしい人間じゃない。。。」
そんなコトを考えたりもしました。

 自分の中に、自分の思いとは違った『“公”に近い顔』が生まれつつある事実に、「そうじゃない、私って本当は…」と言いたくてもがいている、私がいました。

 そんなコトに捉われて、実はずっと悶々としていたのですが、今は少しづつ、そんな皆さんの声を『励ましの声』として素直に受け入れようとする気持ちや、事実はそれはそれとして受け入れようとする考え方を持てるようになって来ました。

 ただ、皆さんには申し訳ないくらい、私の中では「私は私」です。「ただのオバサン」です。
 「励ましの声」をたくさん皆さんから頂きながらも、決して背伸びをすることなく、ただ頑張るだけしかないのです。
 どうか、温かく見守って頂けたらと思います。

今年の、私の山歩き

2003-12-31

剱沢小屋の佐伯友邦さんと    03.9.11   photo by izumi

 剱沢小屋の佐伯友邦さんと    03.9.11   photo by izumi

 管理人になった最初のシーズン、ある方から「自分の小屋の周り、登山道を歩く管理人に」と言われて、なるべく山を歩くようにして来ました。
 朝日岳しか知らなかった私。
 最初は、「山を歩く登山者の皆さんの気持ち、疲れて小屋に辿り着く登山者の方の気持ちを知りたくて」歩いた山でした。しかし、思うようにその時間が取れなかったり、自分の体力が無いばかりにそれ程ハードな山歩きはなかなか出来なかったように思います。加えて今から思えば、自分の頭の中で考えていたほど、私自身のいろいろな意識が全然高くなかったのです。
 
 今年は、今までと少し違ったいろいろな山歩きをすることができ、それによって様々な経験、そして“勉強”もできたように思います。

 年の初めから4月頃にかけては、双子の二女・三女の受験や入学があったりして、思うように山へも行けませんでしたが、

  1月  大谷山
  4月  徳本峠小屋行き
       栂海山荘の除雪山行
  5月  残雪の恵振山7合目まで
      白鳥山
  8月  白馬岳往復
  9月  立山三山縦走、剱岳登頂
       蓮華温泉往復
 10月  遭対協訓練・相又谷
       烏帽子岳、野口五郎岳縦走
 11月  雨飾山
       白鳥山
 12月  負釣山
       南保富士
          
 この他にも、北又〜朝日小屋、朝日小屋〜山頂〜水平道など、小屋の周りも何度か歩きました。
 こうやってみると、限られた中でも結構歩いていますネ(微笑)。

 それぞれの山行で、いろんなコトを想い、そして考えました。
 
 残雪の山、春の芽吹きの山、真夏の山、錦秋の山、初雪の山、深い冬の山…。
 厳しい山、険しい山、穏やかな山…。
 岩の山、花の山…。
 眩しく輝く山、シーンと静まり返る山…。

 一緒に歩いた方々から、学んだことがありました。
 歩きながら、小屋に着いてから、テントの中で…。

 グループで賑やかに登った山があります。一人きりで歩いた山もあります。

 「山」から教えられたことがありました。
 ただただ、「山」に抱かれたこともありました。

 …今まで以上に「山」に魅せられ、「山」が好きになっていきました。
 …そんな、私の今年の山歩きでした。

 来る年も、新たな出逢いを求めて山を歩きたいと思っています。
 「山」と出逢い、人と出逢い、「自分」と出逢い…、それらがきっと私自身を大きくしてくれると信じて。

あけましておめでとうございます!!

2004-01-05

朝日岳山頂からの夜明け   03.9.23の画像

朝日岳山頂からの夜明け   03.9.23

 あけましておめでとうございます!!
 昨年中は大変お世話になりました。
 本年も、どうぞよろしくお願いいたします!!

 皆様、お健やかに新しい年をお迎えのことと思います。
 年が明けて、早や5日。今日から仕事始めの方も多いのではないでしょうか。
 私も、お正月の間お休みさせてもらった「管理人日記」、今年も頑張って書き続けたいと気持ちも新たにパソコンの前に向かっています。
 
 富山県地方の今年のお正月は、雪も無く、時折青空ものぞく比較的穏やかな天候に恵まれました。逆にスキー場などは、年末年始の雪不足でいろいろ心配されていますが、剱岳などの北アルプスに入山したパーティーはもちろん、お正月休みの間に里山ハイクなどを計画し実行された皆さんには、雪が少なめで少々残念ながらもラッセルを強いられる事の無い快適な初登山となったようですネ。

 私はと言えば、自分の小屋に入っている4ヶ月間に加えて、普段でも“仕事”と称して山に出掛けたりナンダカンダと出歩いている生活ゆえ、お正月くらいはと家でおとなしくしておりました。。。(本当のところは、初登山に行きたくてウズウズしていたのですが・苦笑)
 それぞれに学校に通っている娘たちも帰省していましたし、年始には義弟家族がやって来たりと、いつもながらの賑やかなお正月を家で過ごした三が日でした。
 
 実は…年末に「靴」を買いました。
 今履いている靴は管理人になった01年に購入したものですが、それなりあっちこっちといろいろと歩きました。
 しかし、本格的な冬の高山では少々“役不足”。(買った頃は、まさか自分が、雪のある山へ自分が登るなんて考えても思ってもみなかった)
 というわけで、もしかしたら(!?)冬の高山へも行くかもしれないという前提の下、(仕事の為、と言い訳しつつ)奮発しちゃいました!
 昨年は双子の娘たちの受験に“振り回され”それどころではなかったのですが、今年は冬の間にもぜひぜひいろいろ行きたいと、今あれこれ思案中です。
 
 山行きの計画に思いを巡らせている時って、ホントに楽しいですよネ。
 朝日小屋に来てくださる皆さんも、早い方達は春になる前から計画を立てて、朝日岳に思いを馳せてくださっているのでしょう。
 今年も、そんな皆さんのご期待に添えるように自分なりに頑張りたいと、皆さんから頂いた年賀状や山の道具、そして新品の靴を眺めながら考えている新年の私です。

“光”に向かって

2004-01-05

清々とした朝の時間  山頂から頚城の山々を眺める  03.9.23の画像

清々とした朝の時間  山頂から頚城の山々を眺める  03.9.23

 お正月って、なぜか「不思議」だと思いませんか。今年の私は、特にそれを強く感じたように思います。

 煩わしい家事や一年納めの行事やらに振り回される年末は、「今日が明日に順送りされるだけなのに、何をドタバタと…」などとぼやくことばかり。面倒くささに萎えそうになる気持ちを叱咤激励しつつ、ひとつひとつが区切りだと割り切ってあともう少しと日々過ごしました。
 ところが、「一日のことなのに…」「“大晦日”が“元旦”に代わっただけのことなのに…」、何か新しい年を迎えると気分も新しく晴れやかになれるような気がした今年はとても不思議な気分です。
 “年末”というのは、やはりどうしても一年を反省したり振り返ったりと、「終わり」に向かっているように感じます。
 しかし“新年”に一歩踏み出したとたん、なぜか前の年の諸々は全て“チャラ”にされて「さぁ、今年も頑張るゾ!」「今年は何が待っているだろう!大丈夫、ガンバれるから!!」
 とってもヘンなのですが、今年は本当にそんな気持ちになれました。12月にあんなに落ち込んでいた自分が、ちょっと不思議です。毎年そういう風に思えればいいのだけれど、こんなに新しい年に“明るい光”を感じて意識したのは久し振りのような気がします。