北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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古崎分隊長、有り難うございました!!

2004-03-29

関係者が大勢集まった、送別会  04.3.22     朝日町某所にての画像

関係者が大勢集まった、送別会  04.3.22 朝日町某所にて

 春は入学など新しい出逢いの季節ですが、一方、転勤や異動など別れの季節でもあります。覚悟はしていても、長い間お世話になった方との別れはやはり淋しいもの…。
 今回の県警の異動で、入善警察署に5年間勤務され朝日岳方面警備隊の分隊長を務められた古崎さんが、大沢野警察署所在地交番勤務となり薬師岳方面山岳警備隊分隊長として転出されました。
 
 古崎さんは、亡父がまだ朝日小屋の管理人をしていた99年3月に着任され、また私が管理人になった最初の年から、新米管理人の私をサポートしつついろいろと教えて下さいました。親子二代にわたって、本当にお世話になりました。
 古崎分隊長が在任中の5年間には何件かの遭難事故もありましたが、全件無事救助することができ、また死亡に至るような大きな事故はありませんでした。これは県警山岳警備隊あげての支援はもちろん、古崎分隊長や谷口隊員と朝日岳方面遭対協の連携の賜物だと思っています。また日頃からの県警山岳警備隊の厳しい訓練や、遭対協との合同訓練が実っているのだと思い、その為に朝日岳方面で古崎分隊長が陰日なたで常々努力されていたことに深く感謝しています。
 
 県警山岳警備隊は、常駐隊の他、各山域各方面でそれぞれ警備に当たっておられますが、特に朝日岳方面の場合には、ひとつの方面警備隊にひとつだけの山小屋といった環境にあり、これまでにも山岳警備隊の皆さんには小屋も管理人も大変お世話になってきました。
 また個人的には、技術も未熟で経験不足な私を、朝日岳周辺山域や文部省登山研修所での訓練に同行を許可して下さり(周囲の不安と心配を知りながら…)、朝日小屋の管理人として少しでも力を付けさせようとして頂きました。
 また非番の時など、「ゆかりさん、これから行きますけど何か欲しい物はないですか!?」と言いながら美味しいお刺身を差し入れして下さったり、時には緊急に足りない品物をボッカしてもらったり(なぜか重いものばかりでした。すみません!)と、公私ともにいつも気に掛けてもらいました。
 また、毎年11月には朝日町民駅伝に遭対協チームで出場して、若い隊員の先頭に立って力走する姿は立派でした。
 
 古崎分隊長には、大沢野署へ行かれましても益々ご活躍されんことをお祈りいたします。
 また、薬師岳方面山岳警備隊分隊長としては自身のケガや事故に気を付けられて、今後一層登山者の皆さんの安全と事故防止に尽力されますようお願いいたします。
 5年間、本当に有り難うございました!!

相変わらず…デス!!

2004-03-29

初雪山直下   ポツンと人影は古崎分隊長   04.3.14の画像

初雪山直下   ポツンと人影は古崎分隊長   04.3.14

 先々週は、子どもの卒業式やらでモタモタしていた私。
 またしばらく日記を書いていなかったので、何人かの方から「どうしてる!?」と連絡が入りましたが、先週は一転して山関係の行事やら会合でバタバタしました。
 
 21日(日)は、立山砂防カルデラ博物館であった、剱沢小屋の佐伯友邦さんの講演を聴きに行って来ました。前日に載った新聞記事を見て、急遽予定を立てました。
 夜は、大蓮華山保勝会の役員会に出席。
 22日(月)は、新潟県糸魚川市役所へ出向き白高地沢の仮橋の件などで話し合い。その後知人のお見舞いなど。
 夜は、朝日小屋関係者が大勢集まって開いた古崎分隊長の送別会でした。
 23日(火)は、大山町で開かれた「国立公園の施設整備に関する意見交換会」に出席。16年度に行なわれる国立公園内の歩道整備などの各種事業に関して、環境省や県庁自然保護課などから各山小屋関係者や各団体への説明と意見交換の場でした。
 夜は、地区の婦人会総会。
 24日(水)は、立山町芦峅寺の公民館で、立山方面の山小屋の皆さんが集まって食品展示会が開かれたのですが、立山室堂山荘の妹から「今年もあるけど、見に来る?」と連絡があり、そこへ顔を出させて頂きました。
 午後からは、末娘の進学予定の高校で説明会。家に帰ったら夕方6時近くでした。
 27日(土)には、さわがに山岳会の小野 健さんの「NHK地域放送文化賞」受賞をお祝いする会が糸魚川市にてあり、私も出席させて頂きました。二次会に小野さんのご自宅にお邪魔していたら、帰宅は夜の7時でした。

 本当は、週末には山へ行きたかったし、お誘いもあったのですが…
 実は木曜日の朝、洗面中に左目のコンタクトレンズを割ってしまい、それが日曜日の夕方にならないと交換品が届かないということで、残念ですが山行きは諦めました。眼鏡を掛けて山を登ったことがないので、どうにも自信がなくて。
 でも、さすがに毎日毎日会合やら諸々続いたので、「今回は、少し大人しくしていなさい!」ということだったのかも(苦笑)。それくらい、先週はバタバタしましたから。

 気が付いたら、今年の春は例年以上に早いようですネ。陽気に誘われて、富山県内でもちらほらと桜も咲き出しました。
 山が見える日は、どうしても山の様子が気になります。
 3月もあと僅か。本格的な春山の季節です。

春ですねぇ…

2004-03-30

ミズバショウの群落  新潟県青海町にて   04.3.27の画像

ミズバショウの群落  新潟県青海町にて   04.3.27

 上の写真は、小野 健さんのご自宅近くにあるミズバショウの群生地の様子です。私も初めて訪れたのですが、道路脇にこんなに見事に咲いていて、ビックリしました。

 春ですねぇ。
 冬の間、雪に閉ざされた寒い北陸地方でも桜が咲き出しましたし、家々の庭先では、黄色やピンクや白など色とりどりの花たちが、先を競って賑やかに蕾を膨らませています。

 今日は私も、気分転換とばかり美容院へ行って髪を切って来ました。短くなって少々男の子みたいになりましたが、「バッサリ!!」とスッキリして春らしく(?)なりました。
 冬の間少しぼんやりしていた心と身体を、そろそろ揺り起こしてやりましょうネ。
 

その想いを、「翼」に載せて

2004-04-01

ブルーの機体にオレンジのライン、県警ヘリ「つるぎ」  04.3.31の画像

ブルーの機体にオレンジのライン、県警ヘリ「つるぎ」  04.3.31

 昨日は、富山空港に隣接して駐機場のある、富山県警察航空隊と富山県消防防災航空隊を訪ねました。
 両航空隊の皆さんとは、時々朝日小屋の上空を飛行中のヘリに合図を送るか、また負傷者を搬送する緊急の際にホンの一瞬しかお会いすることがないのですが、シーズン中いつもお世話になっているお礼とご挨拶を兼ねてお邪魔してきました。

 両航空隊には、山岳遭難や事故の現場で捜索や救助活動において大変お世話になっています。
 3,000m級の北アルプスを抱える富山県において、山岳遭難の現場にあっては従前からの山岳警備隊や民間救助隊の陸からの活動に加えて、現在では空からの広域的かつ機動的なヘリコプターによる捜索・救助活動は不可欠となっています。

 山小屋でヘリコプターを要請するのは、登山者の皆さんが負傷されたり病気であったりという緊急を要する場合です。県警山岳警備隊が、「これは一刻も早い救出が必要だ!」と判断した場合にのみ、ヘリコプターが出動します。
 2,000mを越える山の上では、予想も出来ない天候の急変があったりして要請通りにヘリが飛ばない場合もあります。そんな時、負傷者を目の前にした小屋の責任者としては「早く!、早く!」と手を合わせて、本当に祈るような気持ちで空を見上げることがしばしばあります。
 昨年も、台風の最中にヘリコプターを要請する事態が発生したのですが、要請した時点では下界も見えるような天候でしたが、みるみるうちにガスが舞い上がってきて、しかもあっという間に暗雲が湧いてきて雨まで降り出す始末。「もうダメか。。。」と思った矢先に、それまで小川温泉上空を旋回して待機していた県警ヘリ「つるぎ」が、一瞬のスキをついて小屋の前へ現れ、負傷者を乗せてあっという間に飛び立っていきました。
 ホッとしたという安堵の気持ちと同時に、「こんな悪天候の中を…」という感謝の気持ちでいっぱいになりました。

 県警ヘリ「つるぎ」と、消防防災ヘリ。いつも緊急の場合に遠くから見るだけの機体を初めて撫でさせてもらい、何だか愛しいというか、お世話になっているという実感からか、何故かジーンとしてしまいました。
 隊長や機長をはじめ、隊員の方々には厳しい訓練などそれぞれご苦労があるとは思いますが、現場にあっては本当に頼もしい航空隊の皆さんです。
 これからも、困難な現場での様々な出動要請もあると思いますが、その“燃える心意気”と“度胸”、そして『豊富な実戦経験・冷静沈着な判断・巧みな操縦技術・ヘリコプター及び山岳の知識』(「谷口凱夫著・アルプス交番勤務を命ず」より)で、遭難事故の現場に駆けつけて下さいますよう、よろしくお願いいたします。

お世話になっています!!

2004-04-01

オレンジが鮮やかな機体、消防防災ヘリ「とやま」  04.3.31の画像

オレンジが鮮やかな機体、消防防災ヘリ「とやま」  04.3.31

 富山県の空からの山岳遭難救助活動に、県警ヘリ「つるぎ」と共に最近その力を遺憾なく発揮しているのが富山県消防防災ヘリ「とやま」。朝日岳方面でのここ数年の遭難救助活動にも、何度も駆けつけて下さっています。
 「つるぎ」と比べるとひと回りも大きな「とやま」の機体は、大型ゆえに機体の安定性があるということで、特に強風などの折にはその天候にも負けない威力を見せてくれます。 
 また広い機内には、まるで「空飛ぶ救急車」というように重症患者を治療しながら搬送できる緊急の医療用ベットが装備されていたりして、今後の有効活用とそのますますの活躍が期待されます。

「安心と安全へ、情熱と行動力を載せて…」

2004-04-01

「つるぎ」は、空飛ぶパトカーです!の画像

「つるぎ」は、空飛ぶパトカーです!

 県警航空隊では、心意気に燃える機長の柴田隊長と、「つるぎ」のことなら任せてという嘉指整備士が迎えてくださいました。
 現在の「つるぎ」は、イタリア・アグスタ社製のアグスタ式A109K2型で日本では初めて導入された機体だそうです。全長13.03m、全高3.5m、機体巾2.88m、定員は8名。

「県民の暮らしと安全を大空から守る」

2004-04-01

その大きな機体にビックリ!!の画像

その大きな機体にビックリ!!

 県消防防災航空隊では、有田機長、丹波副隊長をはじめ、広瀬隊員や整備の隊員の皆さんが迎えて下さって、いろいろとお話をすることができました。
 消防防災ヘリ「とやま」は、県警ヘリ「つるぎ」よりまだひと回りも大きく、昨日は格納庫の中で見たせいもあってか、本当にその大きさには驚きました。
 機体は、アメリカ・ベル社製のベル式412EP型。全長17.1m、全巾2.8m、全高4.6mもあります。

「母は山でも、子は育つ」

2004-04-08

晴々と、入学式  04.4.8の画像

晴々と、入学式  04.4.8

 今日8日は、末娘・結の高校入学式。
 自分の希望通りの高校へ、それなりの難関を突破して入学した彼女は、晴々として入学式に臨みました。前日までの雨の予報も見事に外れ(!)、快晴の中、桜吹雪のはらはらと舞う中での思い出に残る入学式になりました。
 普通科単独校に、県下唯一の音楽コースを持つ学校とあって、式は音楽コース上級生による吹奏楽団の入場曲演奏や混声合唱による校歌斉唱など、厳かな中にも感動的な入学式でした。
 出身の朝日中学校からの祝電が、親子を感激させました。たった一人きりの入学にも関わらず祝電を頂いたこと、本当に有り難く思います。

「祝詞
 ご入学おめでとうございます。
 希望の高校に入学され、夢の実現のために一歩一歩確実に歩んでください。
 久遠の理想たかだかと、自主独往の道を拓かれんことを願っています。」

 通学に1時間以上掛かることや、勉学に付いて行けるだろうかとか、かなり厳しいであろう専門への道等など、他の娘たち以上に心配な末娘。しかしこの3年間、私が山へ行っている間にも彼女なりの頑張りがあったことを高く評価し、自らの夢を一歩引き寄せた彼女のことを、見守る以外にありません。

 『親は山でも、子は育つ』
 私の友人が、娘の高校合格に際して送ってくれた言葉です(…苦笑そして微笑)。

 母は、やっぱり今年も『山』で頑張らなくては!!