前の記事
次の記事
今日は亡父の命日
2003-06-17
ウルップソウ 小屋の前に一株だけあります。
今日は、亡き父の命日です。もう丸三年が経ちました。
この2年間、どうにか大きな失敗も無くやってこられたのは、周りの皆さんの大きなお力添えはもちろんのこと、いつも父が見守ってくれているからではないかと、ふと思う時があります。
由起子さんなんか小屋開けの朝、「おやっさん、どうか無事にヘリコプターが飛びますように」と祈ってくれていたというのですから。
運も、そしてお天気までが私に味方してくれたのですね。
どうか今年も、無事故でシーズンが終えられますように…。
ずっとずっと高い空から、見ていて下さい。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030617b.html
登山道の状況確認と、白高地沢の橋架けに
2003-06-18
ほぼ完成近く、作業途中の仮橋 蓮華温泉側白高地沢で
台風接近の影響で全国的に天候が崩れていく中、昨晩から作業の進め方が心配だったのですが、朝起きてみたらどうにか一日持ちそうなお天気だったので、急遽梅ちゃんと孝太・山口クンの3人が蓮華温泉側の登山道の状況を偵察がてら、白高地沢まで仮橋を架けに行きました。
朝8時小屋を出発。夏道の全く見えていない雪の上をベンガラでマーキングしたり、登山道に横たわっている倒木を動かしたりしながら、白高地沢へ。
帰って来たのは、夕方の6時頃でした。さすがの梅さんはじめ、若い2人も相当くたびれたことでしょう。本当にお疲れ様でした。
いつもの事ながら、山小屋にとって一番大切な登山道の整備と管理・点検ですが、シーズン初めの作業は特に神経を使います。
今日は、夜勤明けの古崎分隊長もお休みを利用して、山開き前の偵察にいらっしゃいました。いつもの事ながら、本当に真面目に仕事に取り組んでおられて頭が下がります。
小屋の中も、かなり片付いて来ました。『ゆかりの大改革』の為の準備も、どうやらそろそろ整ったようです。
小屋周りの仕事はもう少し、それから朝日岳山頂から向こう側、水平道の点検・確認作業にもできれば近いうちに行ければと考えています。
蓮華温泉側の雪渓の残り具合については、梅ちゃんの話によると…
朝日岳山頂から蓮華温泉側直下にかけての雪渓は、例年に比べて「かなり」多いそうです。
青ザクまでは、いつも雪渓が残る箇所では、未だかなりの範囲で多くの雪が残っているそうです。
帰路は、ガスで一寸先も見えない真っ白な状態の中、行きに付けたベンガラのマーキングの跡がなかったら、もしかしたらルートを見失ってしまったかもしれないと思うほど、雪の量は多いそうです。
この時期の朝日岳周辺は、北アルプスの中でも、北陸地方・日本海側特有の残雪の多さが特徴です。雪融け直後の6月下旬から7月初めの時期は、咲き始めたばかりの高山植物も魅力ですが、確かな技術と相当の体力がなければなかなか難しいのも確かです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030618a.html
勇姿!
2003-06-18
左から、山口クン、梅さん、孝太
出発前の3人の勇姿です。
孝太が手に持っている焼酎の空きペットボトルの中味はベンガラです。この中に入れて、持ち歩くと撒く時に便利だそうです。
梅ちゃんは、いつも通りとっても元気!!
3年目の孝太は、梅さんから「今年はオマエがやるんだゾ!」と言われて、重要なベンガラ撒きを任されていました。
飄々とした雰囲気の山口クンは、淡々と仕事をこなしていきます。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030618b.html
雷鳥が…
2003-06-18
夕方、外仕事をしていた板さんが「ゆかりちゃん、雷鳥だよ!」と呼んでくれました。
慌ててデジカメを持って行ってみると、小屋のすぐ前で、一羽の雷鳥が一生懸命に何か啄ばんでいました。
連日鳴き声は聞いていたのですが、私は今シーズン初めて姿を見かけました。
雷鳥の横に見えている黒い線は、小屋の横にある水のホースです。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030618c.html
『どっぽな、雪多いじゃ!!』
2003-06-19
ベンガラでマーキングをする孝太、後方は古崎分隊長 水平道で
今日は午前中、梅さん・孝太・山口クン、そして古崎分隊長の4人で、朝日岳山頂〜水平道の小桜ヶ原側の分岐〜水平道〜小屋をぐるりとひと周りして来ました。
残雪の状況、登山道の様子を把握し、特に危険箇所の確認をすると共に、ベンガラや赤色テープでのマーキングを行ない、倒木の始末等などの作業を行って来ました。
昨日の日記で、朝日岳山頂から蓮華温泉側の残雪の量がかなり多いと書きましたが、今日の白馬岳・雪倉岳方面への今シーズン初の偵察でも、それぞれのポイントで例年以上とも言える雪が残っているのが確認されました。
『どっぽな、雪多いじゃ!!』とは、帰って来て玄関に腰をおろしたとたん梅さんの口から出た言葉です。バリバリの富山弁ですが、訳すと『もの凄く、雪の量が多い。(本当にビックリした!!)』となります。
特に、山頂から水平道の分岐へのルート(今回はこちら側から行ってので下りだった)は、毎年同じ時期に通っている梅さんでも上へ行けばよいか、下へ降りればいいのか、かなり迷ったそうです。
この後、梅雨の雨でかなり雪融けも早く進むとは思いますが、くれぐれも早い時期の入山には気を付けて下さい。
なお水平道は、登山道に残る雪が少なくなって、道迷いや滑落の危険がなくなるまで『通行禁止』となっています。(分岐点に看板がありますので、注意して下さい)例年、7月20日近くまで通行止めが続きますので、詳しくは朝日小屋へお問い合わせ願います。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030619a.html
梅さん、有り難う!!
2003-06-19
今日の夕食は、キムチ鍋と焼き鳥を囲んで
日曜日の小屋開けから、ずっと手伝いに来てくれていた梅さんが明日下山します。
若い二人に、水のこと、発電機のこと、小屋周りのこと等など、本当に根気良くいろいろと教えてくれました。
お陰で、今シーズンも無事に朝日小屋を開けることができました。
梅さん、そして彼を快く送り出してくれた室堂の千尋さん、いろいろ有り難うございました!!
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030619b.html
濃いガスの中、作業は続く
2003-06-20
先頭は梅さん、後から続く孝太
連日作業風景の写真を撮ってくれたのは山口クン
今日は午後から梅さんの下山に合わせて、孝太と山口クンが恵振山9合目まで同行し、北又側ルートの雪の状況をチェックし、登山道の確認をして来ました。
28〜29日の山開き登山会は北又からの入山になりますので、ベンガラ撒きの他に、チェーンソーで雪を切るなどしてステップを作る作業もしました。
“天候はくもり”の天気予報は見事に外れ、ずっと雨が降り濃いガスの中、作業は黙々と続いたようです。
連日のハードな仕事をこなすメンバー、孝太と山口クンも、夕方ずぶ濡れになって戻ってきました。
下界は梅雨の最中で蒸し暑い毎日だそうですが、さすがに山の上はまだストーブが離せない世界です。風邪などひかぬよう、山開きまでもうしばらく3人で頑張ります。
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030620a.html
お天気が良くて…
2003-06-21
今シーズン初めての「布団干し」 ずらり並んで、気持ち良さそう〜!!
昨日のお昼まで梅さんがいてくれて、小屋の周りの仕事や登山道の点検など、どちらかと言うと外回りを中心に仕事を片付けてきましたが、いよいよ山開きを1週間後に控えて、昨日の夜は今後の仕事の予定を孝太・山口クンと3人で確認。
今朝の早い時間はガスも未だ濃くて、「今日も太陽は顔を見せてくれないのかなぁ。。」とチョッと心配になりましたが、その後は夕方遅い時間まで青空も見える良いお天気になりました。
各部屋の片付けが未だ済んでいなかったので、お客様を迎え入れる態勢を整えるべく今日も一日3人で奮闘しました(笑)。
一昨年・昨年と、何が何だか分からないまま動いているばかりで、小屋周りと小屋の中全体の整理整頓をキチンと出来なかったように思い、その反省に立って今年はあっちもこっちも片付けている真っ最中です。
とにかく山小屋というのは、今すぐ欲しいものがあっても近所へ買い物に出掛けるということができませんので、「これは、もしかしたら次の何かの時に使えるかも」「この部品は残しておいたら、あの作業をする時には便利かもしれない」「もったいない、コレはなかなか捨てられない」というシロモノが、何故か次から次へと溜まっていくのです。
そして、「○曜日は、不燃物の収集日」というのがありませんから、どうしてもいつの間にか不必要な物までが集まってしまうようです。
そんなワケで、亡父の時代から溜まっているいろいろなモノを、とにかく今年は7月のヘリコプターで下げようということになりました。
それから今シーズンは、小屋の毛布を一部新調しました。数年前から気になっていたのですが、今年は思い切って“年代モノ”の古い毛布をやめて新品と入れ替えることにしました。
その為に部屋の片付けと同時進行で、各部屋の布団や毛布の総点検と入れ替えをしました。そして、今シーズン初めての「布団干し」!
写真で見て頂いてお分かりかと思いますが、朝日小屋の“赤い三角屋根”は山小屋の名物ともいうべき「布団干し」にはかなり不向きです。
布団も各部屋の窓からポイと出せるようにはなっていませんし、何より急勾配の屋根が「布団干し」にはとても都合が悪い。。
それでも、今日はお天気が良かったので布団がフカフカになりました。未だ全部の部屋が終わっていないので、明日からももうしばらくこんなお天気が続けばなぁ、と願っています。
一日フル回転でした。今この日記を書いている傍で(携帯電話で繋いでいるので、唯一日記をUP出来るのはアルバイト部屋だけ)、孝太と山口クンはそろそろ“オヤスミ”の体制に入っています。
明日もガンバロウッと!!…
この記事の URL : http://asahigoya.net/diary/2003/06/d20030621a.html