北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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いろいろな、紅葉

2005-09-28

鉢ヶ岳巻き道で出会った、ナナカマド   05.9.26の画像

鉢ヶ岳巻き道で出会った、ナナカマド   05.9.26

 前にも何度も書いていますが、朝日岳周辺の紅葉は本当に「値(あたい)」があると、私は思っています。
 先日の研修会の折、蓮華温泉ロッジの田原さんともお話しましたが、「鉱山道」、そして「五輪尾根の紅葉」はそれはそれは素晴らしいと、二人で頷き合いました。

 そして、北又からの恵振山周辺の紅葉、これも決して見劣りせず素敵です。

 それから、もちろん水平道も見事に色付きます。

 でも、やはり山渓や岳人には、ホント、これが載らないんですよねェ!! (半分不思議、半分呆れて)

 まぁ、『知られざる』というのが今はブームのようですから(苦笑)、『知る人ぞ、知る』というのがイイのかもしれません。

 だからこの数日、少ないながらも朝日小屋にお出でになったお客様は、本当に喜んで下さっています。

 小屋が静かで、紅葉が楽しめる…
 お客様同士の会話も弾み、お食事もゆっくり。湯豆腐のお鍋を囲んで、明日の山行に思いを馳せ…。

 10月体育の日辺りの連休が、紅葉も見頃でしょう。

 朝日小屋は小屋閉め直前で、シーズンの終わりを締め括るべく、ホッと安堵の、少し「お祭り気分」でしょうか。
 
 「ゆかりちゃん、もっともっと、紅葉が素晴らしいって書けば!!」と良く言われるのですが、それなりに毎年書いてアピールしているとは思っているのですが(苦笑・微笑)。

 紅葉を見に、ぜひお出掛け下さい。
 お待ちしています。

ちょっとだけ、ブルブルッと

2005-09-29

うっすらとお化粧をして  今朝のチングルマの画像

うっすらとお化粧をして  今朝のチングルマ

 「なかなか気温が下がらない」 そんなことばかり書いていたのですが、今朝は全国的に秋晴れとなったようで、山の上では少し寒くなりました。

 早朝5時の気温は、4℃。
 
 「初氷」は未だですが、それでも今朝は木道の上にうっすら霜が付いていました。

 チングルマも赤く色付いて、その周りが薄く白くお化粧をしていました。

 こんな可愛らしい素敵な姿が見られるのも、朝陽が射し込む前、ホンの少しの間です。

 秋が深まる、山の朝。

無題

2005-09-29

秋らしい、こんな風景にも出逢って   05.9.27   の画像

秋らしい、こんな風景にも出逢って   05.9.27   

 ただボーっと。
 青い空、それから、流れる雲を眺めているだけでも。

 山へ来た楽しみも、甲斐も、ある。

あ、た、た、た、た…

2005-09-30

色付くオヤマソバ  雪倉岳の斜面で  05.9.27の画像

色付くオヤマソバ  雪倉岳の斜面で  05.9.27

 オヤマソバじゃないけれど、みき子ちゃんも私もすっかり“色付いて”しまいました!!(苦笑)。

 白馬岳山行は、時々ガスもかかる中、真夏の陽射しほどではないにしてもお天気に恵まれた山歩きを楽しみました。

 結果、夏の間中Gパトで毎日歩いていたみき子ちゃんでさえ、今シーズン一番日焼けをしたのではないでしょうか。

 私なんか、やっとさえ黒い顔が、なお真っ黒に!!
 「あ、た、た、た、た…」は、日に焼けて突っ張った顔が、昨日からは小鼻辺りの皮も剥けてきて。。。

 小屋閉め間近で、そろそろ髪はボサボサ、顔はどこの国の人?と言われそうなくらい真っ黒で。

 あ〜ぁ、早く髪を切りたいな!

小屋閉めに向けて

2005-09-30

秋らしく  朝日岳山頂付近  05.9.27の画像

秋らしく  朝日岳山頂付近  05.9.27

 みき子ちゃんと私、テツと天神、二組交代での白馬行きも楽しんで、今日からは小屋閉めに向けて本格的に片付けが始まりました。

 一番気になるのは、やっぱり「食糧の在庫」です。
 こればかりは、この後のお客様の数次第ですので、いろいろなパターンを考えつつ、それでも毎日「朝日小屋ならではのご馳走」をさせて頂くように心掛けて仕事が進みます。

 中断していたシーツの洗濯。
 これも今日からは、いくつかのお部屋の分を残して、もう使わない大きな部屋の分の洗濯を仕上げてしまう予定です。

 そろそろ、テント場の公衆トイレも閉めてしまおうと思います。
 この数日、テント場利用の登山者の方は、連日ゼロかお一人だけ。
 朝日平のテント場は小屋のすぐ目の前なので、小屋閉めまでのテント場利用者の方には、小屋の中のトイレを利用して頂くことで対応できます。必要な方には、スリッパもお貸しして。小屋のトイレは、ペーパーも付いていますしネ。

 お天気のうちに、グリーンロープの片付けもしなくては。張ってくれたのはGパトのメンバーなのですが、片付けは小屋の仕事。

 仕事はいろいろありますが、10月3連休が終わらないと出来ない仕事もたくさんあるので、とりあえずなるべくバタバタしないようにと、打ち合わせをしました。
 (…と言いつつ、最後にドタバタするのが絶対私なので、毎年やっていても、やっぱり心配!!)

 
 少しのんびりした9月後半でしたが、今日で9月も終わり。

 秋の深まりと共に、長かったような短かったような、そんな今シーズンの終わりが少しづつ近付いています。

頼もしい若者たちに助けられ

2005-10-01

帰り際、「カッコ良くね!」と言ったら、こんな決めポーズ!!   05.10.1の画像

帰り際、「カッコ良くね!」と言ったら、こんな決めポーズ!!   05.10.1

 今朝早く起きたら、厨房に、昨日の夜にはなかったはずの“ミョウガ”と“キュウリ”。
 
 「えっ?、慎ちゃんたち来たの!?」…と、私。
 「あ〜ぁ、バレちゃったか」…と、テツ。

 小屋閉めまであと少しを残して、いろいろな「下げ荷」を『逆ボッカ』してくれるというので、10月1日の土曜日に日帰りで、北又から若い子たちが上がって来てくれることになっていました。

 ところが早朝4時過ぎ、もう小屋に着いているらしい形跡が…。
 そういえば、ナンダカ昨日の電話の様子がちょっと変だったもの(何かを隠している様子がありあり・苦笑)。

 小さい頃からずっと朝日小屋に通い、高校時代にはアルバイトをしていた慎ちゃん。
 その友人で、今シーズン後半から3回も遊びに(手伝ってもらいました)来てくれた、T大山岳部OBでパワー溢れる、心(しん)クン。
 この二人が、北又小屋を夜の8時過ぎに出発して、上り3時間半で夜中の12時前に朝日小屋に着いていたのです。玄関脇に寝ている私も気付かなかったのですが、そっと入って来て、3階のアルバイト部屋で寝ていたそうです。
 
 いくら空身に近いとはいえ、さすがの若者たち。

 そして今日は、お昼ご飯を食べた後、それぞれ25キロ近い荷物を『逆ボッカ』して下げてくれました。

 
 鋭意努力・調整してはいますが(苦笑)、小屋を閉めるその日に全ての食糧がドンピシャっと何もなくなるはずもありません。
 
 それでも、今年は昨シーズンの“苦い苦い教訓”を元に、かなり上手く進んでいるとは思っていますが、最後の日までの食糧計画を立てた上で、下げれるものは下げることにして、彼らが力を貸してくれました。

 また、宿泊申込み書やテントの名簿、受付の台帳等々の「書類」、それから一旦上がって来た納品書や領収書など、手紙類など…。とにかく『紙類』は、結構嵩張るし、それなりに重いのです。
 そんなものも、若者たちに早々と下ろしてもらいました。

 
 アルバイトのみんなはもちろんのこと、たくさんの皆さんに支えられている朝日小屋ですが、こんなパワーいっぱいの頼もしい若者たちが、朝日小屋を、そして私を助けてくれています。

今日から10月

2005-10-01

一株だけ、咲き残っていたタカネナデシコ   雪倉岳にて   05.9.26の画像

一株だけ、咲き残っていたタカネナデシコ   雪倉岳にて   05.9.26

 今日から、10月。
 小屋閉めまで、いよいよ「秒読み」となってきました。

 今日は、一ケタではありますがご予約も入っていますが、明日2日から7日までの平日は、ナント「ご予約ゼロ!」、ちょっと淋しい朝日小屋です。

 お天気も今ひとつで、ご予約も無いとなれば、やっぱり『片付け』しかありません(苦笑)。
 この数日は、どうやらシーツの洗濯と厨房の片付けに、みんなで専念することになりそうです。

 残念ながら10月最初の週末は、前線の影響で午前中から雨というスタートになってしまいました。
 この数日はあまり秋晴れは望めそうにもありませんが、3連休には大いに好天を期待したいものですネ。

『沈殿』

2005-10-02

朝日小屋、昨晩のメニューの画像

朝日小屋、昨晩のメニュー

 9月下旬のある日。
 どうやら連泊を決め込んでいた、テント場の30代くらいのお客様に、声を掛けました。

 私 「連泊ですか?」
 男性「えぇ、このテント場から見える景色がまるで“箱庭”のようで気に入ったので、もう一泊させてもらいます」
 私 「“沈殿”ですか、イイですねぇ」
 男性「“沈殿”? 何ですか、それ?」
 私 「えっ、“沈殿”って、言わないですか??」

 『沈殿』…もちろん、国語辞典に載っているそれとは全然意味が違う、「山用語」だと、何十年間も勝手に私は解釈していたのですが。

 山小屋やテント場で、天候の影響やその他の都合で(前述の男性の「気に入ったから」というのもその中に入るのかもしれないし、そうでないのかもしれないが)、次の予定地へ移動せず“停滞”を決め込む時によく使った言葉のように思っていました。

 解釈が間違っていたら、ゴメンなさいね。
 (思い込みの激しい性格なので・苦笑)

 
 そういえば、この数年感じていたことがあります。
 山小屋で『沈殿』する登山者の方の、少なくなったこと。

 どんなにお天気が悪くても、決して目的地を変更せずに“強行突破”を図る中高年の方のグループが、結構多いです。
 さもなければ、日程の都合もあるのでしょう、予定を変更して下山される方たち。もちろん無難で、賢明な選択に違いありません。

 でも、私が未だ学生だった頃の「山の世界」と比べると、『お天気が悪かったら、沈殿する』というパターンが、かなり少なくなっているのではないかと実感しているのは、私だけでしょうか。

 10時間も掛かるであろう長時間の行程を、知ってか知らずか、それも連続して何日も歩こう(縦走)とする60代後半のグループ。
 普通なら1日半や2日は掛かるコースタイムのところを、「大丈夫です。いつも12時間くらいは平気で歩きますから」とあっさり言い切る、これも中高年のパーティー。

 夏の間中、ご予約やお問い合わせのお電話で、あるいは受付で、毎日のようにそんな会話を繰り返していると、あっさり『沈殿』を決め込んで小屋の布団にゆったりと潜り込み読書を決め込んでいた、そんな何十年も前の登山者の姿が、とても懐かしくモノトーンで浮かんで来ます。

 もし『沈殿』されたら、今日はどんなメニューにしようかなぁ…、そんな風にあれこれ頭を巡らすはずの、ある日の山小屋管理人です。

 ちなみに上の写真は、昨晩のメニューです。もちろん、秋バージョン。
 最近お出ししていた、「お刺身の昆布〆め」や「車麩の卵とじ」などは、いよいよ昆布〆めが品切れとなり、卵がどうもギリギリ品切れとなりそうなので中止。
 それに代わってこの数日登場しているのは、サバの味噌煮(もちろん、手作り)や長いものおろし・サラダ風などです。
 それから、牛肉や野菜たっぷりの炒め物。これはなかなかの絶品です!
 どれも、料理の達人・テツが中心となって作ってくれています。

 もしかして『沈殿』を一度味わったら、また山や山小屋を見る目が少し違ってくるかも。