北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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「妖力」とは…

2009-07-13

写真
実家の母と  今秋で79歳になります photo by Masao 09.7.12

 管理人になって8年が経ち、今年で9シーズン目。

 1シーズンに2~3回あるヘリコプターの荷揚げなので、これまでに20回以上の荷揚げを行ってきました。

 自慢じゃないけど(!)、これまでの殆どが予定していた日程で実施されたか、あるいは予定日は快晴だったにも関わらずへり会社の都合で1日だけ順延になったとか、天候が悪くても延期は1日だけだったとか。

 梅雨の最中の荷揚げが多いので、ほぼ予定通りに作業が出来るということが本当に不思議なくらいです。

 そこで周りが言うのが、この不思議な力は…ゆかりの「執念」「情念」「怨念」…

 それでも説明し切れないような、今回の荷揚げ。

 Banちゃんのブログでは、この力は「ゆかりの、妖力」なんだとか!?
 「妖力」を辞書でひいても、言葉が見つかりません。

 で、「妖怪の力」ということであれば、それは『化け物の力』ということになります(爆笑・微笑・苦笑)。

 いいえ、私は山の神様の気持ちが、予定通りにヘリコプターを飛ばせてくれているのだと信じたいです。

 …亡父の想いかもしれません。

 …私の周りに居てくれる皆さんの、朝日岳と朝日小屋に対する熱い想いかもしれません。

 …もしかして、私への、少しだけご褒美かも?

 今回は、1日目の夕方~2日目の朝と、荷揚げが2日間にわたるという珍しいパターンでした。

 1シーズンに一度だけ、いつもこの時期のヘリで実家の母を連れてくるのですが、1番機で上がって、最後の荷揚げが終わった後の最終便機で下ろすことになります。

 そして今回、母は朝日小屋に1泊していきました。

 昭和59年までの以前の小屋には泊まったことがあるそうですが、昭和60年建設の現在の小屋には初めてということで、とても喜んで帰っていきました。

 ちょっとだけ“親孝行の真似事”も出来た、そんな今回の荷揚げでした。

ドタドタ、バタバタ。。。そして!?

2009-07-14

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こんな“おもてなし”でお待ちしていましたけど。。。  09.7.13

 13日、2日間にわたる荷揚げの後始末も、何人もの“助っ人”の皆さんの手伝いもあり、どうにか片付く目途が付いたようなその日。

 そんな13日は、朝からの土砂降りと強風でした。

 というかその日、里ではそれ程ではなかったという情報もあったのですが、高い山の上では、ホントに「とんでもないお天気!」になっていたのです。

 台風並みの強風に、横殴りに痛いくらいの大雨。

 そんな日だったのに、実は2グループ・21名様のご予約があった朝日小屋。

 きっとキャンセルになるだろうという読みでしたが、各関係方面連絡を入れるも、それぞれ出発したとの情報。

 どうするどうする、と言いつつも、お客様が来られるというのであれば、とにかくどうしても「登山道」を再点検しに行かねばということに。

 ものすごい暴風雨の中を、水平道点検・蓮華温泉方面点検の二手に分かれて男子たちが出掛けていきました。
 (カメラが水没するくらいの天候だったので、現場証拠写真はありません)

 残った少人数のアルバイトたちも、どうしようと言いつつ、とりあえず21名様のお夕食の準備に取り掛かりました。

 お昼過ぎにも電話連絡などしましたが、とにかく朝日小屋に向かっているとのこと。
 これは、もしかしたら夕方には迎えに出なければいけない事態になるかも、とまたまた緊張感が走ります。

 そんなこんなで、お客様を迎える準備がほぼ整った午後4時過ぎ、立て続けに連絡が入りました。

 蓮華からの13名のお客様は、花園三角点から引き返して、ようやく蓮華温泉ロッジに辿り着いたと。

 白馬方面からのお客様は、雪倉岳避難小屋にて避難していると。

 あ、あ、あ。。。やっぱり。。。

 そんなこんなで小屋の者全員、ドドドっと、朝からの緊張感から解き放たれ、ホッとしたのやら疲れやらで、ふ~~っとため息の瞬間でした。

そんなこんなの。。。13日

2009-07-14

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なんてったって、21人分の「肉じゃが、食べ放題!」ですから(苦笑)  09.7.13

 そんなこんなの13日でしたが、その大雨強風の中、北又からは元富山県警山岳警備隊の古崎さんが上がって来てくれました。

 懐かしい古崎さんと、お土産のお刺身。そして、お客様は全てキャンセルのゼロ、なので身内だけ。

 そうなったら宴会するしかないでしょ、とばかり、半ばやけ酒(苦笑)。
 (。。。営業的には、21人かゼロかは、かなりの痛手。。。)

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古崎さんを囲んで photo by Kanae  09.7.13

 とは言いつつ、連日の疲れを労いつつ、楽しい楽しい宴の夜は更けていきました。

 さぁ、また頑張りましょう!!

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朝日小屋の「アルバイト訓」にどうでしょう! 09.7.13

 最後に、古崎さんからバイトのみんなに言葉を頂きました。

 そうですね、ファイトです!!

この後の、ご予約状況について

2009-07-15

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今日の朝日平  前朝日をバックに、賑やかに咲き出したチングルマ

 梅雨明けがいつ頃になるか、本当に気掛かりな毎日です。

 今日も、朝から午前中に掛けては晴れていたのですが、午後になると雲行きが怪しくなり、3時過ぎからは雨が降り出しました。

 そんな中でも、朝日平周辺や登山道では、そろそろ夏の花たちがかなり賑やかに咲き始めました。

 朝日平を代表するチングルマやハクサンコザクラも、徐々に満開の場所あり、蕾をたくさん付けて出番を待っている場所ありと、あちらこちらで可愛らしい姿を見せてくれています。

 また、どうやら今シーズン“当り年”の気配を見せているコバイケイソウやニッコウキスゲなども、かなり咲き出してきました。

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今朝の雪倉岳・白馬岳・旭岳  久しぶりのラジオ体操、番頭さん・ミゾテ

 さて今日現在での、今シーズンのご予約の状況なのですが…

 1.今のところ7月3連休は、いずれの日も、未だご予約が可能です。

 2.7月25日(土)、26日(日)も、まだまだ余裕があります。

 3.8月1日(土)、2日(日)も、まだまだ余裕があります。

 ご予約に関して、今シーズンはいつもの年と比べて、皆さんの出足が遅いのではないかと思っています。

写真
今朝の朝日岳をバックに、ニッコウキスゲ

 お花の様子ですが、例年と比べて若干雪が少なめという感じもありますが、それぞれ開花の状況はこの3連休の後から、梅雨明け後から一斉に満開となるでしょうか。

 しかし「朝日岳は、お花の山!!」です。

 とにかく雪が溶けた後から後から、次々とお花たちが咲き出します。

 この7月中旬から8月末頃までは、決して登山者の皆さんを裏切ることはありません。

 ぜひぜひ、『お花を楽しみに』朝日岳へお出で下さい。

 朝日小屋も、登山者の皆さんに喜んで頂けるよう、スタッフ一同張り切ってお待ちしております。

なお、各方面の登山道の様子については…

ぜひ、「朝日岳情報」のページをご覧下さい。 

 

いよいよ登場、『おにぎり弁当』!!!

2009-07-16

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自慢のお弁当です、美味しそうでしょ!!

今シーズン、朝日小屋のお弁当は『おにぎり弁当』に!!!

 登山者の皆さんに少しでも喜んで頂き、ハードな山歩きのサポートが出来るようなことをしたくて、この8年間いろいろと工夫してきました。

 手作りのお食事に、とことんこだわり。
 食材は、出来れば地場産、富山産で。
 お食事を提供する食器を、全て陶器やガラスにしたり。
 食前酒をお出ししたり。
 ドリップコーヒーを、200円で提供したり。

 でも、もう何年も前からやりたくてやりたくて、何度も何度も試みようとしては手を着けられなかった…それが、お弁当を「おにぎり」にすることでした。

 朝日小屋ではハイシーズンになると、一日100個以上のお弁当を作ることがあります。(これまでの最高では170個を超えました)

 お食事はなるべく手作りで(出来れば、殆どを)と考えていますので、お弁当に関しても、冷凍のちらし寿司・巻き寿司・いなり寿司や焼きおにぎり、あるいは冷凍の中華ちまきなどは、そこそこの評判を得ているとは言っても、どうも朝日小屋の弁当ではない、というのが私の考え。

 そしてお客様の思いは、朝日小屋は小さい小屋だから、というのがあるのかもしれませんが、

 「朝ご飯は、おにぎりにして下さいね!」
 「お弁当は、おにぎりでしょ!?」
 「お弁当が、食べやすいのよね!」
 「お弁当箱なの?空箱が邪魔よねぇ」     等など。

 受付をしていると、お客様の7割方は「お弁当はおにぎりに」「おにぎりで」というご意見。

 しかし限られた時間内で、それも数が初めから決まっていない中、手作りのおにぎりを150人分(300個)作るのは、結構大変です。

 ご家庭でお母さんがおにぎりを握るのとは、ワケが違います。

 とりあえず形を作るのに、器械の導入を考えたこともあります。
 でも形成するおにぎり製造機のようなものは、ナント100万円以上もするのです(これには、ビックリ!)

 そしてこの頃の中高年が主流の登山者の皆さん(私自身も含めて)では、やはり「おにぎりが食べやすい」のだろうな、何とかおにぎり弁当にできないかな、ずっとそう思ってきました。

 冷めてもあまり硬くならずに、美味しく食べられるおにぎりにするには、やっぱり「手塩にかけて」人の手で握るのが、一番です。それも優しく愛情を込めて。

 そんなこんなで…、お客様の声に応えて「お弁当をおにぎりに!」、この決心をするのに実は5年近く掛かりました。

 実は今年のアルバイトのみんなは、本当にかなりの“実力派!”揃いです。

 「なんでもござれ!」の番頭さん・ミゾテをはじめ、
 2年目・厨房担当のガリは、調理師免許を持つ実力派。
 朝日小屋では新人でありながら、春には尾瀬、秋になると阿曽原温泉小屋で働くすずちゃん。
 私の三女のかなえは、ま、そこそこのことは出来るかな?

 その他のメンバーも、何でも出来る子たちばかり。

 なので、このメンバーをして「おにぎり弁当」が出来ないのなら、もう諦めるしかない、という思いで、今回弁当の変更に踏み切ったという次第です。

 ただ、炎天下のザックの中に半日近く入れて歩くことを想定した山小屋のお弁当では、限界があるのも事実です。

 特に「おかず」に関しては、いろいろと考えていますが、限定されてしまうのも仕方のないことだと思いますので、お許し下さい。
 (水分が出ないようなもの、保冷剤など無理なので腐敗があってはいけない、等など)

 うまくいくかどうかは分かりませんが、5月頃から里では番頭さん・ミゾテと相談を重ね、小屋入りしてからは、みんなで何度となく試作ややり方の打ち合わせを行ってきました。

 7月に入ってからは、ごく少ない数ではありますが作っていまして、お客様にも好評です。

 安全や衛生面にも細心の注意を払いながら、登山者の皆さんに喜んで頂けるような「愛情たっぷりなお弁当」にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 

愛情込めて、優しさ込めて、一生懸命作ります!!!

2009-07-16

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すずちゃんが作った、とっても美味しいおにぎりデス!!

 おにぎりは、2種類・2個。

 定番の焼き海苔で包んだおにぎりは、中に“しそ昆布”が入っています。これが、美味しいと評判。

 そしてもう1個は、富山名物・とろろ昆布のおにぎりです。中味はもちろん、梅干(かつお梅)。

 富山県内では当たり前の、とろろ昆布のおにぎり。
 私たちは小さい頃からずっと食べているので、これは「全国共通」なのだと思っていましたが、どうやら違うらしいですね。

 ご家庭では「白とろろ」が多いかもしれませんが、朝日小屋では「ソフトとろろ昆布」を使いました。

 ぜひ一度、召し上がってみて下さい。美味しいですよ!!

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三女・かなえが作りました、残さず食べれるおかずデス!!

 そして、おかず。

 山小屋のお弁当のおかずには、本当にいろいろと制約や限界があります。

 今回は、今までのお弁当箱に入れていたものを、殆どそのまま引き継いだ形になりましたが、若干の変更もあります。

 おかずの内容を決めるのにもいろいろありましたが、おにぎりはそのままでも食べれるような工夫がしてありますので、食後の「ゼリー」やエネルギーになる「チーズ」は今まで通り入れることにしました。

 お弁当には定番の、こんがり焼いた「ソーセージ」。これは絶対外せないだろうという意見。

 これまでのシュウマイの甘酢に代わり、「肉巻き」。これは老若男女問わず、冷めても美味しいという感想。

 小さな「昆布巻き」が2ヶ。これはしっかりニシンが入り、味も上々です。

 「ピリ辛こんにゃく」や、「自家製たくあん」もあります。

 まだまだ検討もしていかなければいけませんが、頑張って『おにぎり弁当』作りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

登山道整備へ…その1

2009-07-16

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水谷の側に残る雪を切る、番頭さん・ミゾテ  今朝の仕事

16日現在、水平道は通行止めです!!

連休前に通行可能かどうかは、朝日小屋にお問い合わせを!!

 皆さんが気になっている水平道の開通についてですが、通行が可能かどうかは、明日午後(17日)か明後日午前中(18日)に判断したいと思います。

 今朝、今現在水平道で危険であると思われている箇所を、点検と整備に行って来ました。

写真
また別の場所でも、チェーンソーで「雪を切る」

 番頭さんのミゾテと、働き者のA。
 この二人がチェーンソーを持って、「雪を切りに」行って来ました。

 この数日間の雨で、思った以上に雪は溶けていたようですが、それでも沢に掛かる雪などは、急斜面をトラバースするような形で残っていて危険だったので、夏道が出るように「雪を切って」来たそうです。

 最終的には、水平道全体を点検した上で、通行可能か判断するようにしたいと思います。

写真
安全に通行できるように、これも小屋の仕事

 この3連休前に通行可能になれば良いのですが…。

 今しばらく、情報をお待ち下さい。  

登山道整備へ…その2

2009-07-16

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「雪を切り」道を作る  今日の午後からの作業

 朝のうちに水平道を途中まで点検に行って来たのですが、午後からは蓮華温泉方面を確認へ。

 朝の作業に引き続いて働き者のAと、コンビを組むPの二人。

 出掛けた時は晴れていたのですが、夕方遅くに戻る頃には土砂降りのお天気になってしまいました。

 相変わらずガスの中での作業でしたので、吹き上げのコルからの全体の俯瞰写真はありません。

 12日付の写真を「朝日岳情報」に載せてありますので、そちらをご覧下さい。

 雨が降ったら雪が溶けることは分かっているのですが、少しでも登山者の皆さんの安全の為にと行っている作業です。

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階段状に、「雪を切る」  根気と力の要る作業

 いつも吹き上げのコルの下に残る少し長い雪渓は、まるで道路のように、一列に足場を作って来てあります。

 また、少し斜面が急になっているところでは、雪を階段状にカッティングしてきてあります。

 だからと言って、絶対に滑らないというわけではないのですが、こういう雪の窪みになっているところを足場にして、危険を回避しつつ慎重に注意深くしっかりと歩いて下さい。

写真
ベンガラなどのマーキングも、頼りになります

 相変わらず「アイゼンは必要ですか?」というご質問をお受けしますが、それは登山者の皆さんそれぞれの技量(技術力)により違います。
 無くてもまったく問題なく歩ける方もいらっしゃるような斜面ですし、歩けない方は平らな雪の上でも怖がりますから。

 アイゼンが無かったら絶対に歩けないか、というほどの雪の斜面ではありませんが、やはりこの時季の雪はどんどん硬く締まって滑りやすくなっていますので、ご心配不安のある方は、軽アイゼンなどの携行をお勧めします。
 ただし、絶対必要かどうかの判断は各自でお願いします。

 …朝日岳は「北アルプスの、北の端」に位置している山です。

 この山域は、北アルプスの中でも雪の多い地帯です。
 遅くまで雪が残り、またその雪があることで高山植物も賑やかに咲き誇る、そんな山です。

 残雪を踏みしめてお花たちに会いに来る、そんな夏の山をぜひお楽しみ下さい。