北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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折り返し点

2005-08-13

蕾を膨らませる、カライトソウの画像

蕾を膨らませる、カライトソウ

 6月12日の上山・小屋開けから、昨日でちょうど2ヶ月。10月12日の下山予定日まで、あとちょうど2ヶ月となり、ひとシーズンの半分が終わりました。

 未だ振り返るには早すぎるのですが、今年もいろいろあった2ヶ月でした。
 本当に、「あっという間!!」

 前にも書きましたが、4ヶ月間のシーズンといっても、いろいろあります。
 小屋開け直後の1ヶ月はお客様をお迎えする準備にただただ追われ、夏の1ヶ月は「怒涛のような!」シーズン最盛期、少しボーっと心と身体を休める8月末から9月の頃、そして小屋閉め作業に追われる最後のひと月。

 アルバイトのみんなの体調を気遣いながら、実は私もいろいろ。
 少し気を緩めると、「ドーっっ!!」と疲れが押し寄せてくるようで、まだまだもう少し頑張らなくてはいけません。

 お陰さまで、スタッフに恵まれた今シーズン。
 秋にいらっしゃるお客様にも、ぜひ元気でガンバる、朝日小屋の姿を見て頂きたいものです。

エライこと、でした!!

2005-08-14

ガスが濃い中、どうにか一便だけ   05.8.11の画像

ガスが濃い中、どうにか一便だけ   05.8.11

 先週末のこと。

 「ゆかりさん、ありません!」
 「うっそぉ!!そんなわけないわょ!!」
 「どこを探してもありません!!」

 トイレ掃除を終わったリュウジに、トイレットペーパーの補充を頼んだのですが、小屋の中の上から下まで、どこを探しても見当たらないというのです。

 「しまったぁ。。。!!!」

 川原青年に何度もボッカを頼んだのですが、さすがにもう限界です。
 ましてまだシーズン半分の2ヶ月を残して、まさかトイレットペーパーが無くなるとは。。。

 もしかしたら、私の思い違いや計算間違いということも、もちろんあります。

 それほど、今シーズンはお客様の入りが多いのかというと、それほどではないのですが、台風に散々襲来された昨シーズンと比べれば、やはりお客様はおいでになっているのですが、それにしてもいつもいつも「もう少し荷揚げしようかな」と思いつつも、狭い小屋の中の置き場所を考えて、控え目にしたのが仇に。 昨シーズンを基準にしていた私の計算ミスだと思います。

 …それからのドタバタしたこと。

 元々シーズン最盛期にもヘリは頼まず、生鮮食品を中心に、無くなったらボッカ、ということで乗り切っていた朝日小屋です。 
 
 そうと決まったら、ヘリの手配やら荷物の集荷などなど、やっと少し落ち着き始めた頃だったのですが、私の頭の中は一度に真っ白になってしまいました。

 最短でヘリが飛べるのは、11日との連絡。10日からぐずついたお天気が続き、飛べるか飛べないか本当に気を揉みました。

 決められたトン数以上の荷物がないと、「回送料金」が発生します。
 トイレットペーパーやら、食料を集めたところで500キロ足らず。後は、来年荷揚げ予定のプロパンガスや軽油などの燃料で調整することにしました。

 「とにかく、一便だけでも。とにかくトイレットペーパーと食料だけでも。」

 ヘリは他での仕事をしてから回ってくるということでしたので、午後からの天候が持つことをドキドキしながら祈りました。

 11日午後3時、一瞬の隙を突いて、濃いガスでほぼ真っ白になっている中を、A社のベテランパイロットが「神業」のようにして、飛んで来てくれました。

 お陰さまで、一便だけ、何とか荷物を運んでくれました。

 燃料関係は次回に、ということになりましたが、本当に助かりました。

 
 「ゆかりさん、ありません。見つかりません!!」
 時々この声がすると、本当にドキッとします。

「白馬大雪渓」が通行できるように

2005-08-14

イワショウブの画像

イワショウブ

 11日の土砂崩落事故で通行止めとなっていた「白馬大雪渓」ですが、昨晩関係機関から連絡があり、本日14日の午前6時から、通行出来るようになったそうです。

 事故前は、夏道を通していた大雪渓ですが、秋道に付け替えるなどして、通行が可能になったようです。

 大雪渓からの上山をお考えの方は、また各々詳しい情報収集に努められるようにお願いいたします。

茜色に染まる、夕焼けが見たい!!

2005-08-15

黄金色に輝く、キンコウカの画像

黄金色に輝く、キンコウカ

 この8月旧盆のお天気は、どうなったのでしょうか。

 毎日降り続く雨、それでも朝日小屋に来て下さるお客様がいらっしゃるのは本当に有難いことなのですが、さすがに「雨もまた良し!」とばかりは言えないような、雨と風。

 小屋の周りでは、初秋を彩る花たちが賑やかに咲き出しました。
 シモツケソウやカライトソウ、マツムシソウだけでなく、キンコウカやミヤマコゴメグサ、ミヤマホツツジたちも満開です。
 ちょっと陰に入ると、まだチングルマやミヤマキンポウゲが咲いていてびっくりします。それから、コイワカガミなどもまだピンクの可愛らしい花をのぞかせています。

 そろそろリンドウの仲間たちも、咲き始めています。

 それにしても、過ぎてみれば、すっきりしない夏だったようにも思います。

 今シーズンは、茜色に染まる夕焼けの写真はいつから載せていないでしょうか。
 心に残る、日本海や能登半島に沈む夕焼け、赤く染まる雲海が懐かしくなります。
 早く、すっきりとした初秋の空に戻ってほしいものです。

 このお盆が終わると、本当に静かな朝日岳が戻ってきます。
 また、そんな朝日小屋にも遊びにいらして下さい。お待ちしています。

久しぶりに青空がのぞいて

2005-08-17

今朝、久しぶりに眺める山々   の画像

今朝、久しぶりに眺める山々   

 昨日は、朝方少し小雨がぱらつきましたが、日中は思ったよりもお天気が良くなりました。
 
 15日まで降り続いた大雨と時々の雷。散々なお天気でしたが、それでもお客様が足を運んでくださっていましたので、雨の落ちなかった昨日の空には少し安堵することができました。 

 朝日小屋もこれでかなり落ち着きましたが、心配なのはみんなの体調と、ホッとしたことによってドッと押し寄せる心の変調。それは私も同じです。
 毎年のことなのですが、真夏の最盛期とこの後の静かな日々の“ギャップ”があまりにも大き過ぎます(苦笑)。

 昨日今日と、男の子たちは、気になっていた「草刈り」に出掛けました。
 水平道を中心に、結構草丈が伸びていてビックリしました。雪が遅くまで残ってたので、今でも土がかなり水分を多く含んでいるせいもあるのでしょうか。
 
 近々歩かれた皆さんには、木道を草が覆っていてかなり歩きにくかったことでしょう。この後はそんなこともなくなります。

 昨日は、約1週間ぶりに青空が顔を覗かせました。やっぱりうれしくなります。

 8月も後半。
 今年夏の山を賑わせてくれたコバイケイソウの葉が、黄色くなりました。
 
 そろそろ、秋の気配です。

ボーーっとしたい

2005-08-17

ヤマハハコの画像

ヤマハハコ

 ボーーっとしたいです。

 小屋に入って2ヶ月余り、とにかく、ボーーっとしたいです。

 今の、正直な気持ち。

朝日小屋からのお願いです、くれぐれも「ご予約」を!!

2005-08-18

よっしー、草刈り作業中   05.8.17  の画像

よっしー、草刈り作業中   05.8.17  

 昨日は、大変でした。。。 

 16日・17日と二日連続で、男の子たちは登山道の「草刈り」に出掛けました。一昨日はよっしーと祥慈が、昨日はテツと天神と誠が、草刈り機や手鎌を持って一日作業に。

 前から気になっていたのですが、雪が残っているうちは刈れなかったり未だ草丈が伸びていなかったりします。しかしそれも、伸び始めるとあっという間で、すぐに登山道を覆うようになってしまうのですが、繁忙期にはなかなか手が廻らないのが実情です。

 一昨日と昨日は、ご予約の人数をみてもずい分少なくなったので、これなら草刈りに人手を割いても、対応できるだろうと思って作業分担をしたつもりでした。

 ところが。。。

 昨日17日のご予約は、前日段階で4名様(少ない!けど、まぁこれからはこんな日も続きます)。
 当日の朝になって3名のご予約が入りましたが、平日でもあるし、予想は10名〜よく来ても15名程だろうと考えていました。

 夏山の超繁忙期でも毎日の予想は難しいのですが、それを過ぎたこれから先は、もっと大変です。
 
 「混んでいないから、予約しなくても大丈夫だろう」というお客様が増えて、数字が読めませんから、夕食の準備に取り掛かるのもお客様が少し揃った時間帯でないと始められないことになってしまいます。

 いつもの、肉じゃが・野菜の天ぷら・豚のから揚げ・スパゲッティサラダなどなどの「定番メニュー」も、お客様が少ないと別メニューに代わります。

 たっぷりの肉野菜炒め・温かい煮物・富山名産の昆布〆のお刺身などの他に、寒い日には湯豆腐をお出しいています。
 このメニューは、お客様に喜んで頂けるだけでなく、人数が読めなくて支度が遅く始まっても対応できるという利点もあり、秋になると出てきます。

 ところが、ところが。。。

 昨日はご予約7名が、なんと最終的に夕方6時過ぎにご到着のお客様を入れて、24名に。

 「うれしい悲鳴」なんてモンじゃありません!!

 それも、とにかくこの時季になると単独のお客様が多くなるので、バラバラポツポツと、一体最終何人になるのかが全く分かりません。

 インスタントを並べるだけなら、簡単です。
 でも朝日小屋は、温かくて身体に優しい「手作りのお食事」で、というのがモットーです。
 
 だから、大変!!

 部屋割りだって、いろいろ苦労しています。

 バタバタしました。。。

 朝日小屋から、お客様にお願いいたします。
 ぜひ、ご宿泊の際にはくれぐれも『ご予約』をお願いいたします。お一人でも、お二人でも。

 当日の朝、白馬岳の山小屋からでも構いません。
 前日の車の中からでも、お電話を一本ください。

 「天候や体調不良などでの、急なキャンセルがある場合が心配で、なかなか予約ができない」というお話も聞きますが、朝日小屋に限って言えば、当日のキャンセルも全く問題はないので、計画をしていらっしゃる方がおいででしたら、ぜひご予約をお願いします。

 山小屋は、どんな方がいらっしゃっても、何時にお出でになっても、お泊めします。
 でも、狭い小屋でご予約無しで4名・5名とお出でになるとそれはもう大変です。
 そんな諸々の事情で、朝日小屋では極力「ご予約」をお願いしています。
 
 ご協力のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

無理や無茶は、いけません!!

2005-08-18

シモツケソウの画像

シモツケソウ

 毎日毎日、大勢のお客様がいらっしゃいます。

 詳しい話は、またシーズンが終わった頃に少しづつ書こうかと思いますが、「山小屋の受付」から見ていると、一般登山者の皆さんとはまた違った見方をしているからでしょう、管理人なりにいろいろ思うところがあります。

 でも、シーズン途中でもこれだけは言いたい、伝えたいと思います。
 
 「山を甘く見てはいけない」と思います。

 剱沢小屋の佐伯友邦さんが、以前ある講演会でおっしゃっていた言葉が印象的です。
 
 『山は、安全と危険の間でのせめぎ合い』

 ともすると、危険と隣り合わせにいることを忘れてしまいそうになる時がありませんか!?
 
 無理や無茶はいけません。

 時々、2日間のコースを1日で廻ろうとする計画でいらっしゃる方などお出でになります。
 体力も気力も脚力も、“それなり”の方なら、私たち山小屋の者が何も言うことはありません。それこそ、余計なお世話でしょう。

 でも、「どう見ても無理じゃないか!?」ということが分かるようなお客様もいらっしゃいます。

 何もなければ、問題はありません。
 『何かあった時』に、どうするのか、どうにもできないような計画では、やはり心配です。

 ガイドブックを見ても心配なら、山小屋に聞いてください。
 
 生意気かもしれませんが、この頃はお電話でお話をしていると、そのグループの様子や登山スタイルなどが、少し分かるようになる場合もあります。

 登山口の出発時間が遅いグループ、休み時間を取り過ぎてペースが掴めないグループ、昔の自慢話ばかりで少し自信過剰(!?)かと心配になる方たち、などなど…(苦笑)。

 安全に次の目的地や下山口に辿り着いてこそ、「朝日岳は良かったネ!」「あの山のお花は最高だったね!」「また行きたいね!」と言えると思います。

 くれぐれも、無理や無茶はいけません。
 
 余裕のある計画を立て、余裕を持った行動をお願いします。