北アルプス 朝日小屋

朝日小屋 TEL 080-2962-4639(衛星電話)
北又小屋 TEL 0765-84-8809
開設期間外 朝日小屋連絡所
 〒939-0711 富山県下新川郡朝日町笹川 清水ゆかり
 TEL & FAX 0765-83-2318

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季節の境目で、静かな週末

2005-09-10

名前がちょっと…、でも素敵に花咲かせる   オニシオガマの画像

名前がちょっと…、でも素敵に花咲かせる   オニシオガマ

 週末だというのに、昨日からの連泊のお客様が3名様と、今日は白馬大池からお一人と蓮華温泉からお一人の、計5名様のみ。

 昨日は「秋バージョン」のメニューをお出ししてしまったし…。
 週末だから予約外のお客様で賑わうのか、それとも予約ナシの状況から見て、全くの空振りか…。判断に迷うところです。

 今日は、朝からテツと天神が夕日ヶ原方面の草刈りに出掛けているので、二人が帰ってからの負担を少しでも少なくし、臨機応変に対応できるメニューは…。

 久々に、「社長(私のこと)」の登場となりました。つまり、珍しく厨房に入ったのです。

 夏の間中、厨房はアルバイトのみんなに任せっきりでしたので、本当に久し振りです。

 ということで、今日のメニューは、
  温かい土鍋で、おでん(もちろん、手作り)
  近海で採れた、もずく酢(これも、自家製)
  富山湾のニギスと、ハタハタの干物
  茄子とみょうがの、あっさりサラダ風お漬物

 などなどが並びました。

 ちょっと、居酒屋風のメニューとなってしまいましたが(苦笑)、どのお客様もお酒がお好きな様子でしたので。

 夕方になって、雨が降り出し、雷も鳴ってきました。
 明日は、予報通り雨、なのでしょうか。。。

息切れ。。。

2005-09-12

ニッコウキスゲも、種になっての画像

ニッコウキスゲも、種になって

 亡父の夢を見た辺りから、どうにも調子が悪い。

 そうこうしているうちに、とうとう昨日は朝からダウン。ゾクゾクと寒気がして、お昼過ぎには微熱が出てしまった。少し吐き気もしたりして。頭が重い。

 私が熱を出すのも、かなり珍しい。

 理由も経過も、結構はっきりしているのだが。。。
 毎年の如く、「9月病」か。。。

 布団にもぐり込んでいたら、立て続けに、いやな夢を見た。

 挙句の果てに、小屋閉めの夢。
 
 さぁ今から下山という段になって、まだシーツの洗濯が終わってないとか、まだホースの片付けが済んでいないとか。あ〜ぁ。
 いつも小屋閉めに来てくれる助っ人のナントカさんに、怒られている私。

 そんな夢を見て、汗びっしょりで起きてしまった。

 でも、いつまでも休んでばかりはいられないので、起き出した。

 心配したテツが、お粥を作ってくれた。
 丸一日何も食べていなかった身体に、お茶とお粥の美味しかったこと。口に入れたら、胃を通り越して腸までストンと流れていったようだった。

 今日は、秋晴れの素晴らしいお天気。
 汗をびっしょり掻いたそのお布団も、お日様の下で干してしまおう。

 この青い秋の空が、きっと私に元気をくれるに違いない。

北アルプス山小屋組合の、『研修登山』

2005-09-17

朝日小屋前にて、記念撮影   05.9.14の画像

朝日小屋前にて、記念撮影   05.9.14

 先日の日記に書いていた、13〜14日の“イベント”。
 実は北アルプス山小屋組合の『研修登山』が、ここ朝日岳・朝日小屋であったのです。

 この研修登山。一年に一度、山小屋が少し落ち着くこの時期に実施されているのですが、過去には立山・室堂周辺で行われたり、昨年は長野県北部の組合の担当で鹿島槍ヶ岳・冷池山荘でありました。

 今年は、黒部観光旅館組合(黒部の山小屋の組合で、朝日小屋も参加している)の担当でした。

 阿曾原温泉小屋の佐々木 泉さんが組合長をされているのですが、3月の総会の折、「今年の研修登山は、朝日小屋でやったらどうか」と話が盛り上がって…。

 でも「こんな遠い、北アルプスの北の端に、せいぜい集まっても5人か10人かな」と話していたのに、当日は30人近い皆さんが集まって下さり、朝日小屋は大賑わいでした。
 
 当日は、北又から登って来られた方、白馬岳から、大雪渓から一気に朝日小屋までの健脚組、そして蓮華温泉からと、それぞれ集合されました。

 特に、長野の皆さんは「こんな機会でもなければ、なかなかここまで来られない!」と、北部・南部から大勢参加して下さいました。

 槍ヶ岳山荘の穂苅さんや涸沢ヒュッテの山口さん、燕山荘の赤沼さんや横尾山荘の山田さん、立山からは代表して天狗平山荘の佐伯さん、そして“お隣”白馬山荘からも松澤社長と若林支配人…などなど(全員、書ききれません!)

 北アルプスの最北端の山小屋は、親睦を深めて夜遅くまで賑わいました。

 翌日は、北又へ戻る方、白馬方面を目指す方、蓮華鉱山道を下りる方…。
 そして親不知までの栂海新道を一気に駆け抜けた、冷池山荘の柏原さんと穂高平小屋の水上さん。さすがに健脚です。

 いつも下界の会合の席でしかなかなかお会いできない方々ですが、山の上の、山小屋でお会いする皆さんは、やっぱり素敵な山男たちでした!!

14日蓮華温泉へ下山、16日北又から入山

2005-09-17

朝日岳山頂にて  05.9.14の画像

朝日岳山頂にて  05.9.14

 12日に「息切れ。。。」と書いてから、しばらく日記を書いていなかったので、「きっとダウンしているのでは…」と心配のお電話を戴きました。

 ゴメンナサイ。
 忙しかったのと、留守にしていたので書けませんでした。

 実は13日の朝まで、本当に「どうなることやら」というくらいでした。

 しかし、研修登山当日は、お昼にはもう第一陣が到着され、その後次々といらっしゃるお客様のお相手をしているうちに、やっとナントカ「スイッチ・ON!」。

 ちょっと精神的なダメージがあって食べられなかったので、身体がシャンとしなかったのでしょうが、それもこれも“忙しさ”が無理やり解決してくれたようです。

 研修会当日は、“ボッカ青年”の川原君が日帰りでお刺身を担ぎ上げてくれたり、“週末従業員”の美枝ママや三女のかなえが手伝いに来てくれて、アルバイトのみんなも頑張ってくれました。

 研修会後、白高地沢の橋の視察があって、皆さんと一緒に蓮華温泉に下山しました。
 15日は用事を足したりして、昨日16日に北又から上がって小屋に戻りました。

 今日から始まる3連休は、ちょっぴり小屋も賑わう予定です。

 少々いろいろな疲れは残っていますが、下山まで1ヶ月をきりました。
 あとしばらく、頑張りたいと思っています。

 上の写真は、蓮華温泉へ下山した皆さんで、強風の中朝日岳山頂で撮った記念写真です。
 
 左から、蓮華温泉ロッジの田原さん、涸沢小屋の芝田さん、私、横尾山荘の山田さん、槍ヶ岳山荘の穂苅さん、環境省レンジャーの能勢さん、同じく加藤さん。
 撮影は、阿曾原温泉小屋の佐々木さんでした。

ご案内…テレビ番組2本

2005-09-17

遭対協の訓練で   立山・文登研にて   05.5.28の画像

遭対協の訓練で   立山・文登研にて   05.5.28

 山関係の皆さんに、テレビ番組2本のご案内です。

1.本日(17日)午後7時〜9時
  テレビ朝日系列

 『ドスペ!』
  極限の救助 北アルプス山岳警備隊
  標高3000メートルからSOS 生死のドラマを見た

 ・約1年間に亘って、富山県警山岳警備隊を密着取材した番組です。朝日岳方面担当の平野分隊長や谷口隊員、前任の古崎分隊長なども登場されると思います。
・山岳警備隊員の厳しい訓練、そして現場での姿を、ぜひ見ていただけたらと思います。
 と同時に、遭難が多発している中高年登山の実態などが実録されているそうなので、必見です。何かを感じ学んでいただければと思います。

2.明日(18日)午後8時〜10時の間で
  テレビ東京系列

 『日曜ビッグバラエティー』
  故郷の名物母ちゃん…(!?)

・2時間スペシャル番組の中で、6人のお母さんたちが取り上げられているそうです。
・6人の中の一人が、私。
 だから、登場するのは約15分くらいでしょうか。
・先日、テレビ東京のクルーが朝日小屋を取材して行かれたものです。隠し続けた朝日小屋の「裏の姿(!?)」が映っているかも…。
・放送エリアが限られているかも。
 関東、関西は入りそうですが、残念ながらというか、富山県内での放送はありません。ホッ…。

寒くなりました!!

2005-09-21

今朝の朝日平と前朝日  の画像

今朝の朝日平と前朝日  

 下界でも、もう「真夏日」も終わったという予報が出ていますね。

 標高2,000mを超える高山では、いよいよ秋が深まって来ています。

 今朝の朝日平の気温は、8℃。
 昨日白馬岳からいらっしゃったお客様のお話では、白馬岳山頂付近では昨日朝方「霙交じり」の雨だったとか。

 日中でも、手や足が冷たく感じられます。
 それ程“冷え性”でない私でも、薄い靴下だけでは心許なく、分厚い靴下と二枚を重ねて履きました。

 ダケカンバやブナの葉が色付くには、未だ少し早いのですが、草紅葉は今とても綺麗で、この先まだまだ楽しめます。

 紅葉の本番、見ごろはいつ頃になるでしょうか。昨年は、10月に入ってからでした。

 それもこれも、この後のお天気次第。もう少し、グッと気温が下がらなくてはいけません。

 この後の時季、山は日に日にその姿を変えていきます。
 紅葉の様子を、順次お知らせできたらと思っています。

あと20日…!!

2005-09-21

朝陽を浴びて、今朝の朝日小屋の画像

朝陽を浴びて、今朝の朝日小屋

 10月10日の営業終了、そしてその2日後・10月12日の下山まで、あと20日ほどとなりました。

 先日の連休(17日・18日)はお天気が良くて、夏山ほどではないにしても、この時季としては珍しく、少しだけ賑わった朝日小屋でした。

 …… 蓮華温泉からお出でのお客様が、朝日小屋から下山した方に「夕飯は、湯豆腐が出ましたヨ」と聞いて楽しみに来たとおっしゃていましたが、残念ながら大勢だったので、夏バージョンのメニューで、湯豆腐はありませんでした。ゴメンナサイ ……

 しかし、今週末の次の連休はどうでしょうか。お天気も今ひとつはっきりしないようで、お客様も模様眺めといったところでしょうか。

 
 小屋閉めまで「あと○日!」となると、やっぱり、どうしても気になってくるのが、『食糧計画』です。

 一体小屋を閉める最後の日まで、あと何人のお客様がいらっしゃるのか、全く見当が付かない中で、そろそろ始まる恒例の『毎日の、在庫チェック!!』。

 特に、小屋閉め直前の10月の3連休は、お天気が良ければ「大入り満員(大袈裟!)」になる可能性も無きにしも非ず。でも、雪や霙が降ったりすればお客様ゼロも、これまたあるかも…。

 昨年は、工事の人夫さん用に9月にヘリで荷揚げした食糧その他が大余りとなってしまい(多分私の単純計算ミス)、最後には「みんなお願いだから、持って帰って!!」と、牛肉やら何やら、何十キロの荷物を『逆ボッカ』してもらったという、苦い経験もありました(苦笑)。

 ヘリやボッカで荷揚げした、貴重な食糧。
 もちろん「越冬」させられるものは残していくのですが、冷凍した肉類やその他は、お金が惜しい云々ではなく、当然捨てていけるわけもありません。

 なるべく「逆ボッカ」をせずに済むよう、うまく帳尻が合えば良いのですが…。
 
 これからは、日替わりでメニューも考えて、微調整しながら…の毎日となります。

 
 あと20日。
 何だか淋しいような、気が抜けるような。
 反面、ホッとする日が近付いているんだなぁというような。

 …何とも言えず、複雑な毎日です。

警告…貴方の靴は、大丈夫ですか!?

2005-09-22

ソールが剥がれてしまった、お客様の靴  修理前  05.9.18の画像

ソールが剥がれてしまった、お客様の靴  修理前  05.9.18

 『トレッキングブーツの中で、ミッドソールにポリウレタンを使用した製品において、ポリウレタンの経年劣化によるミッドソールの破損の可能性が…』

 上の文章は、トレッキングブーツのミッドソールの破損について警告したポスターから、一部引用したものです。

 
 上の写真を見てください。
 ご本人の了解を得て、HPに掲載させて頂きました。

 私が管理人になって5年、ほぼ毎年かなりの件数で、朝日小屋でもこの手のトラブルが発生しています。

 歩き始めてすぐこのような状態になった靴を履いて、よくこの長い道のりを歩いていらっしゃったものだと思うことがあります。

 
 今シーズンも、もう10件近くあったでしょう。
 その度に、靴の状態に応じて、テツが「にわか靴屋さん」をやってくれています。

 しかし、靴の状態次第では、予定のコースを変更せざるを得ない場合も生じます。補修した靴では、あと1日は何とか持たせられても、朝日小屋を経てまだ2日も3日もの縦走は無理となることもあるのです。

 今シーズンのお客様も、蓮華温泉を諦め北又へ下山された方、あるいは靴そのものを諦め“朝日小屋の長靴”で下山された方もありました。
 また、たまたま居合わせたうちの娘の靴が思いがけずピッタリで、それを履いて予定通り栂海新道を抜けた方もいらっしゃいます。でもそれは、本当に運が良かっただけの話ですから。

 いろいろ見ていると、一年にほんの数回、極端なケースでは一年に一度くらいしか履かない靴を使用している場合、あるいは、その靴が購入してから3〜5年くらい経っている場合、メーカーも割りと同じ場合、などなどがあるようです。

 ポリウレタンミッドソールの経年劣化については、調べれば多分インターネットでもかなりいろいろ載っているのではないかと思います。
 
 とにかく、山行きの前によくよくご自分の靴を点検されることが大切です。(靴ばかりではなく、もちろん道具全般)
 
 靴については、靴本体はもちろん、ミッドソール、フック、D環などの細部に亘っての点検が必要です。
 特にミッドソールの場合、靴底を繰り返し折り曲げて、ひび割れ等がないかのチェックをしてください。

 「歩く」「登る」という行為が基本である『登山』である以上、靴は命を預かってくれている一番大切な道具に違いありません。

 くれぐれも、よろしくお願いします。